
算盤塾の先生と再会した。 家は近いものの、あまりそちらの方面には行かないので 道でばったりなんて事もなかった。
ぼくが親に言われて算盤を習い始めたのは 小学校中学年頃だったと思う。 自分から進んで習ったわけじゃないので 嫌々通っていた。
算数系が苦手なぼくだったが、算盤は 算数とは視覚的・指を動かす物なので 少しはとっつきやすかったかもしれない。 何と言ってもまだ若かったし。
塾の中で「競技」と呼ばれるトーナメントがあった。 ぼくは落ちこぼれであるが、ある年のクリスマス、 優勝した。 景品にお菓子が詰め合わせれた小さいクリスマスの ブーツを貰った。
ぼくは嫌な奴だったので、翌日学校で 「あのお菓子、まぁまぁだったよ」と ライバルに言った。 相手にされなかった事は言うまでもないw
ぼくにとっては生まれて初めての優勝だったのに 他の人から見たら一過性のまぐれに過ぎず 相手にする価値もなかったのだろう。
当時の先生の印象は、小柄で髪は大概両脇に 三つ編みをしていた。 姿勢がよく、大きな目玉をきょろきょろさせており 少し怖かった。
かつぜつの良いよく通る声で 「ごわさんで、ねがいましては」という先生の声は 未だに覚えている。
先生・・・ずいぶん可愛らしいお婆ちゃんに;; ぼくがこんな年なので当然だろうけど 教えて貰わないと彼女が先生とは思えなかった。
彼女は生涯独身で、後継ぎとして親戚の女子を 養女にしたそうだ。 「もう後継ぎがいるので安心して死ねる」と 笑顔でおっしゃっていた。
独身でも養子が貰えるというのは初耳だ。 ぼくもそうしようかなぁ。 先生とはサシでもっと話したかった。 向こうはぼくの事など覚えているわけがないが。。。
画像: 水天宮境内 |
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